医療レーザーの効果は永久?ニードル脱毛との使い分けも解説!

顔に手をあてて考えている女性2

医療レーザー脱毛をすれば一生ムダ毛が生えてこない!と思っている方、意外と多いのではないでしょうか?

確かに医療レーザー脱毛では永久脱毛が可能ですが、脱毛完了後に絶対ムダ毛が生えてこないというわけではありません。

つまり結論からいうと、医療レーザー脱毛で永久脱毛することはできます。

しかし、永久脱毛とは生涯毛が生えないということではありません。

一体どういうこと?そもそも永久脱毛ってどういう意味?

そんな謎を解き明かすべく、永久脱毛の定義や医療レーザー脱毛の効果についてわかりやすくご紹介していきます。

※本ページにはPRが含まれます。

「永久脱毛」という言葉の不思議

「永久脱毛」と聞けば、普通は生涯永遠にムダ毛が生えてこないものだと思うのが当然でしょう。

しかし、私たちがイメージする永久脱毛と、定義されている永久脱毛という状態にはズレがあるのです。

現状、日本国内において、永久脱毛についての明確な規定や定義はありませんので、アメリカで決められた「永久脱毛」の定義が適応されています。

永久脱毛の定義①

アメリカ電気脱毛協会(American Electrology Association)によると、永久脱毛とは”脱毛が終了して1ヶ月の時点での毛の再生率が20%以下である場合”と定義されています。

要するに、永久でも何でもなく、最終脱毛から1ヶ月後という、わりと短い期間の状態でしか判断されていないことになりますね。

英語の”permanent”をどのように解釈するかで「永久脱毛」の認識も変わってきてしまいそうです。

永久脱毛の定義②

日本における厚生労働省にあたるアメリカの政府機関FDA(アメリカ食品医療品局)によると、永久脱毛の定義はもう少し細かくなります。

  • いくつかのセッションを含めた治療後に、再成長した毛の数が長期的に安定して減少していること
  • 体毛が再生する数は、毛包(毛根などを包む袋のようなもの)の完全な成長期の持続時間(部位によって4〜12ヶ月と異なる)よりも長い時間安定していること
  • 恒久的な体毛の減少であり、必ずしも治療した部位の全ての体毛を除去するわけではない
  • つまり、完璧な脱毛方法というものは存在せず、毛が再生しない状態が安定して長期的に続くことが永久脱毛だとされているのです。

さらにレーザーによる永久脱毛の基準として

  • レーザーを3回照射した後6ヶ月経過した時点で67%以上の毛が減少している状態

とも決められています。

実際のところ永久脱毛って・・・

そもそも日本においては永久脱毛の定義はなく、アメリカの基準を適応したとしても、現在のところ完全無欠100%ムダ毛を一生除去した状態を保てる脱毛方法は存在しない、ということになります。

アメリカで医療レーザー脱毛が開発され、数年後日本に導入されてから、まだ20年ほどしか経っていません。

生涯における脱毛効果のデータを取るためには、もっと長い時間とたくさんの人数が必要です。

現在行われている医療レーザー脱毛が、一生ムダ毛の生えてこない完璧な「永久脱毛」であるのかどうか、それが実証されるのは何十年も先になるでしょう。

現時点ではFDAやアメリカ電気脱毛協会に定義された状態を「永久脱毛」として医療レーザー脱毛は行われています。

医療レーザー脱毛では永久脱毛できる?

前項でご説明した通り、医療機関で行われる医療レーザー脱毛は、一般的に永久脱毛とよばれる方法です。

毛根や毛乳頭のメラニン色素に反応する医療レーザーを照射することで、毛根や発毛因子(バルジ領域)を破壊し、毛が再生しない状態にします。

ですが、施術した部分の毛を100%なくすのは理論上難しいことです。

1回の施術で処理できる体毛は、その人の体毛全ての10%未満とされており、90%は毛として成熟していなかったり、成長が終わった毛だったりするので、レーザーを照射しても影響を受けないのです。

これには毛周期とよばれる発毛のサイクルが関係しています。

毛が成長を続けている成長期、成長が止まって自然に抜けるまでの退行期、発毛を待っている休止期の3つが1つの毛穴ごとに約2ヶ月周期で繰り返されています。

基本的に医療レーザーが反応して破壊するのは成長期の毛根のみとなるため、1回の施術で異なる毛周期で活動している全ての毛穴を処理することは不可能なのです。

そのため毛周期に合わせて成長期の毛根にレーザーを照射する必要があるので、施術を数ヶ月おきに何度か繰り返さなくてはなりません。

施術を繰り返す事により、より細く目立たなくなる毛になっていきます。

施術部位にある成長期の毛根全てにレーザー照射できたと考えられる時点で脱毛が完了し、永久脱毛ができたということになります。

永久脱毛が可能な医療レーザー脱毛がある?!

私たちがイメージする「永久脱毛」はなかなか実現が難しいものですが、医療レーザー脱毛に使用する機種の中には、FDAに”永久脱毛が可能である”と認可された医療レーザー機器もあるのです。

アレキサンドライトレーザーに分類されるライトシェアとジェントル・レーズの2つが実績・定評ともに高い機種とされ、日本のクリニックにも導入されています。

高度な冷却システムの装備により他の医療レーザー機器と比較して痛みが少ないことや、メラニンだけに選択的にレーザーを照射することができるため、より低い出力でも高い脱毛効果を得られることが特徴です。

照射面積も広いので、従来のアレキサンドライトレーザーと比べて施術時間が1/3程度に短縮されています。

他に、YAGレーザーを使用したクール・グライドという機種もFDAの認可を受けています。

こちらも脱毛効果が高く、冷却システムが搭載された高性能の医療レーザー脱毛器です。

お肌へのダメージが少なく、脱毛以外のシミやたるみ、ニキビなどの治療にも使用可能であることから第4世代のレーザー脱毛器ともいわれていますが、高価な機種であるため導入されているクリニックが少ないのが現状です。

最新機種で人気なのがダイオードレーザーに分類されるメディオスターNextPROです。

蓄熱式でお肌への刺激が少なく痛みがかなり軽減されており、メラニン色素だけでなく、バルジ領域とよばれる発毛因子にもレーザーが照射されるため、毛周期に関わらず施術が可能です。

一度の照射範囲も広く照射のスピードも速いため施術時間が大幅に短縮された、おそらく今後主流になっていくであろう機種ですが、実績がまだ浅く、料金設定も高めです。

医療レーザー脱毛をしたのにまた毛が生えてくる理由

せっかく施術回数を重ねて、時間をかけて(痛い思いまでして)医療レーザー脱毛をしたのに、どうしてまた毛が生えてきちゃうの?と疑問あるいは怒りを覚えるかもしれませんね。

生きている限り、身体は何かしらの変化をし続けているものなのです。

脱毛完了後に毛が生えてきてしまう理由をご説明しましょう。

毛周期の乱れ

部位や個人によって差はありますが、ひとつひとつの毛穴はある程度決まった毛周期を繰り返して毛を生やしています。

医療レーザー脱毛は毛周期における成長期にある毛穴を狙ってレーザー照射して脱毛をするのですが、休止期にある毛に対しては脱毛処理を行うことができません。

毛周期が定期的なサイクルであれば、約2ヶ月ごとの照射を繰り返せば、一定期間でその部位の毛穴の大半に対してレーザー照射することが可能です。

しかし、生活習慣の乱れやストレスなどで毛周期のサイクルが不定期になってしまうと、休止期のままの毛がなかなか成長期に移行しないことがあります。

この場合、脱毛完了から数年後に脱毛期間中は休止期だった毛穴から毛が生えてくる可能性があるのです。

加齢やホルモンの影響

髪の毛を除く体毛、いわゆる私たちにとってのムダ毛に影響しているのは男性ホルモンです。

男性だけではなく女性の体内でも男性ホルモンは分泌されています。

通常、女性の体内では男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが取れています。

しかし40~50歳の中年期、いわゆる更年期くらいになって女性ホルモンが減少してくると、相対的に男性ホルモンが優位になり、ムダ毛が濃くなることがあります。

また、今までムダ毛が生えていなかった部位から毛が生えてくる場合もあります。

加齢とともに体毛は減少していく傾向にありますが、このようにホルモンバランスが乱れると脱毛完了後に新たなムダ毛が生えることがあるのです。

産毛の成長

医療レーザー脱毛は毛の黒いメラニン色素に反応して脱毛処理を行います。

そのため、メラニン色素が薄い産毛には反応しづらく、脱毛効果が弱くなってしまいます。

若い頃には産毛のまま生え変わっていた部分の毛が、年齢など時間とともに毛周期が変化して、産毛から成長し、硬くて黒い毛に変化してしまう場合があるのです。

ムダ毛といっても、体毛は身体を外部刺激などから守るために生えているという役割もあります。

特にワキなど摩擦による刺激を受けやすい部位では、お肌を守ろうとして産毛がしっかりとした毛に変わりやすくなったりします。

脱毛完了後に突然生えてきたのではなく、見えないくらいの産毛が成長したというパターンも起こる可能性があります。

最も「永久脱毛」に効果的な脱毛方法は?

いくつかある脱毛方法の中で、最も脱毛効果が高く、私たちのイメージする「永久脱毛」に限りなく近い状態を可能にするのは、ひとつひとつの毛穴に針を刺して電気を流すニードル脱毛(電気脱毛、絶縁針脱毛)といわれています。

減毛率や確実性という点においては、確かにレーザー脱毛よりも少し上なのですが、痛みの強さや施術時間の長さ、高コストなどが原因で、現在主流としては行われていません。

全体的にレーザー脱毛を行った後で、毛の再生率の高い部位にニードル脱毛を追加するという手もありますね。

医療脱毛の種類

現在行われている医療脱毛は、レーザー脱毛とニードル脱毛の2種類になります。

それぞれの特徴を簡単におさらいしましょう。

レーザー脱毛

施術時間が短く、料金も比較的お手頃で、広範囲の脱毛が可能です。

痛みには個人差がありますが、麻酔を使用すれば耐えられるというのが一般的です。

日焼けや色素沈着のある部位は施術が行えず、産毛や細い毛、白髪は効果が得られにくいです。

ニードル脱毛(電気脱毛)

全身どこでも脱毛することが可能で、あらゆる毛質に対応できます。

毛の再生率が低く、脱毛効果は永久的に継続します。

痛みがとても強く、時間と費用がかかるため、部分的な脱毛に向いています。

また、回数制でない場合が多く、毛量によって施術の時間や費用にバラつきがあります。

施術期間中の自己処理はできないので、毛を伸ばしておく必要があります。

ニードル脱毛(電気脱毛、絶縁針脱毛)について詳しく!

元々、永久脱毛といえばニードル脱毛のことでした。

レーザー脱毛全盛期の今でも、もちろんニードル脱毛は行われています。

また、電流を使用した治療法はその他の美容医療にも使用されています。

ニードル脱毛の方法

1つ1つの毛穴に絶縁処理を施した細い金属針を刺し、高周波や微弱な電気を流して毛根を破壊することで脱毛します。

初期の電気脱毛とは異なり、お肌の表面に触れる部分の特殊コーティングが電気を通さないつくりになっているため、炎症や色素沈着、ヤケドなどのリスクが軽減されています。

レーザー脱毛の回数制とは異なり、本数や時間制になっている場合が多いのも特徴です。

ニードル脱毛のメリット

永久脱毛が可能

電気を流すことによって毛根を完全に破壊するため、その毛穴からはもう毛が生えてきません。

レーザー脱毛できない部分も施術可能

全身どの部位も脱毛することができ、眉などの細かい部分や色素沈着が強くレーザーでは難しい部位に特に効果的とされています。

また、レーザーでは脱毛効果が実感しにくい方、硬毛化してしまった方、日焼けしている方にも向いています。

ニードル脱毛のデメリット

痛みが強い

施術前に麻酔や冷却処置をしても、レーザー脱毛よりは強い痛みを感じることが多いようです。

施術時間が長い

毛周期は同じなので、脱毛完了までの期間は半年〜2年とレーザー脱毛と変わらないのですが、1回の施術時間が全く違います。

例えば両ワキの脱毛の場合、レーザー脱毛だと約10分で終わるのに対して、ニードル脱毛は平均的な毛量の方で1〜1.5時間を要します。

料金が高い

クリニックにより料金は異なりますが、両ワキのレーザー脱毛は5000〜1万円程度のことが多いとされています。

一方、ニードル脱毛は両ワキ10〜15万円ほどかかります。

施術後のアフターケア

レーザー脱毛にも当てはまりますが、ニードル脱毛の場合、特に毛穴が赤くなったり腫れたりする可能性があるため、施術後のクーリングや炎症の予防が必要となります。

施術者のスキルによって効果に違いが出やすい

ひとつずつの毛穴に針を刺していくため、熟練した技術が必要とされ、施術者のレベルにより脱毛効果に違いが現れやすいといわれています。

ニードル脱毛の現在

費用や施術時間、痛みなど、レーザー脱毛と比較して負担が大きいニードル脱毛ですが、全く不要になってしまったわけではありません。

それぞれの特徴をよく理解し、部位や毛質に応じて使い分けていくことで、安全かつ効果的な脱毛が可能になります。

また、脱毛だけでなく、ワキガ・スソガ(スソワキガ)や多汗症に対する電気治療として用いられています。

エステの光脱毛では永久脱毛は不可能

光脱毛(フラッシュ脱毛)での永久脱毛は不可能!と言い切ることはためらわれますが、法律上エステ脱毛では毛根を破壊することができないため、遅かれ早かれ、全ての毛穴からいずれは毛が再生することになります。

再生してきた毛が以前の毛よりも目立たない細くて薄い毛になる可能性はありますし、光脱毛でも最終施術から1ヶ月後の毛の再生率が20%以下であれば定義としては永久脱毛になるのかもしれませんが、前提として光脱毛では毛根を破壊していないので厳密には脱毛ではなく減毛、あるいは除毛ということになります。

医療レーザー脱毛をしても意味がない?

「永久脱毛」をしても、脱毛後にムダ毛がまた生えてきてしまうのなら意味がないと思われる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、再び毛が再生するといっても全ての毛穴からではありません。

少なくとも、医療レーザー脱毛の施術を受けた時点で毛周期の成長期にあった毛根は破壊されているわけですから、基本的にその毛穴は脱毛処理されており、毛が生えてきたとしても産毛程度のものです。

医療レーザー脱毛による永久脱毛が完了している部位に関しては、数十年ほど、つまり”半永久的”に自己処理が必要ないくらいの毛しか再生しません。

見た目や自己処理の負担という面から考えれば、医療レーザー脱毛は十分にその効果を発揮すると考えられます。

まとめ

医療レーザー脱毛で「永久脱毛」をしても、脱毛後にムダ毛が生えてくる可能性があることをご理解いただけたと思います。

永久脱毛という言葉からイメージされる状態とは違ったものかもしれませんが、現時点では、ムダ毛が生涯を通してなくなることではなく、長期的に安定して毛が減少している状態にできる脱毛が永久脱毛と定義されているのです。

この基準をクリアしていれば、脱毛完了後に少し発毛があっても永久脱毛とみなされます。

医療レーザー脱毛をしたとしても、永久脱毛の基準を満たす効果が得られない可能性もゼロではないことをよく理解した上で施術を受けるようにしてください。

完璧なつるつる肌を求めるのであれば、医療レーザー脱毛を完了した後での再照射や、レーザーではカバーしきれない部分のニードル脱毛の併用などもおすすめですよ。

しかし、ニードル脱毛は、痛みや高コスト、施術時間の長さから、精神的・肉体的・経済的な負担が大きく、医療脱毛の主流はレーザー脱毛へと移っていきました。

施術可能なクリニックは限られていますが、ニードル脱毛は現在でも行われていますので、レーザーで照射することができない乳輪や眉毛、白毛はニードル脱毛を併用するという方法もあります。

ご自身の肌質や毛質によって、また脱毛する部位によって、クリニックの看護師や医師と相談してみるといいですよ!

SNSでもご購読できます。