
「医療レーザー脱毛は効果が高いけれども痛い」という声をよく耳にします。
痛みが不安で医療レーザー脱毛に踏み切れない方もいらっしゃるかもしれません。
医療レーザー脱毛の痛みを可能な限り軽減して、効果的な施術を受けていただくために、痛みの原因や機種・部位による痛みの違い、麻酔など痛みを和らげる方法についてご紹介していきます。
★目次★
医療レーザー脱毛はどれくらい痛いの?
よく表現されるのが「輪ゴムでパチンと弾かれるくらいの痛み」ということですが、イメージできるでしょうか?
実際に医療レーダー脱毛を受けた方々は「覚悟していたほどではなかった」「あまりに痛すぎて途中でギブアップしてしまった」などそれぞれ意見が分かれます。
痛みへの耐性には個人差があり、体質や肌質、そのときの体調などによっても医療レーザー脱毛による痛みの感じ方は異なりますので、はっきりと説明することは難しいです。
ひとつだけ確実なのは、エステ脱毛や家庭用脱毛器よりは痛い、ということです。
医療レーザー脱毛が痛い理由
医療レーザー脱毛は、毛の黒いメラニン色素に反応するレーザーを照射することで、毛根に熱を与えて破壊する施術です。
肌そのものにレーザーが当たるわけではないのですが、毛根に熱が加わる際に周辺の皮膚にもレーザーの影響がおよんで痛みを感じてしまうのです。
毛根を破壊できる強い出力の医療レーザーだからこそ、より高い脱毛効果が生まれるのですが、そのパワーゆえに痛みも伴うのが事実です。
医療レーザー脱毛の痛みの違い
ひとことで医療レーザー脱毛といっても、使用するレーザー機種や脱毛する部位によって痛みの感じ方は変わります。
使用機種による痛みの違い
医療脱毛に使用されるレーザー機器は、主にアレキサンドライトレーザー、ダイオードレーザー、YAGレーザーなどがあり、クリニックにより使用機種が異なります。
意見が分かれるところかもしれませんが、現在では一般的に蓄熱式のダイオードレーザーが最も痛みが少ないとされています。
また、高度な冷却システムがついている機種だと痛みが軽減されます。
部位による痛みの違い
痛みには個人差があるので一概にはいえませんが、脱毛する部位によって痛みの程度には違いが出てきます。
痛みを感じやすい部位
医療レーザーはメラニン色素をターゲットにしているため、より黒い部分、つまり毛が太い部分や毛の多い部分を脱毛するときほど熱が加わって痛みが強くなるという傾向があります。
また、普段は刺激を受けないような繊細で敏感な部位も痛みを感じやすくなっています。
最も痛いとされるのがVIOです。
VIOは太くて濃い毛が多いうえに、デリケートな部分なので痛みを感じやすいということです。
次に痛いのは顔、うなじ、ワキ、膝、膝下などが挙げられます。
ワキや膝下は自己処理によって毛が太くなっている影響かもしれません。
膝などの関節は皮膚が薄いため、骨に熱が伝わり響くような痛みを感じる場合があります。
顔やうなじは、通常刺激を受けず敏感な部分なので痛みを感じやすいのでしょう。
痛みを感じにくい部位
痛みを感じやすい部位と逆のことが当てはまります。
つまり、毛が細くて柔らかく、毛量が少ない部位は痛みを感じにくくなっています。
また、紫外線の影響を受けにくく日焼けしていないため肌の色が薄い部位も痛みが少ないとされます。
背中、お腹、お尻などの脱毛は比較的痛みを感じることが少ないようです。
強い刺激を感じることはあまりなく、ほんのりとした温かさを感じる程度といわれていますが、痛みが少ない分、効果を実感しにくい部分ともいえます。
医療レーザー脱毛で使用する麻酔の種類
医療施設で行う医療レーザー脱毛だからこそ可能なのが、麻酔による痛みの軽減です。
クリニックによりますが、麻酔はオプションで、ほとんどのクリニックでは別途料金が必要となります。
また、麻酔の方法によっても料金が異なる場合がありますので、カウンセリングの際にご確認ください。
男性のヒゲ脱毛などで注射による静脈麻酔が使用されることもありますが、ごく稀なのでここでは省略します。
麻酔といっても手術時に使われるように作用が強いものではありません。
痛みを完全になくすことが目的なのではなく、麻酔を使用することで安心感が得られる、肌の表面への刺激が和らぐ、そのようなものだと理解しておきましょう。
麻酔シール・麻酔テープ
主に使用されるのは、局所麻酔の有効成分リドカインを主成分としたものです。
薬剤が配合されたテープ(シール)を脱毛する部位に貼り付けるタイプの麻酔になります。
皮膚に浸透する薬剤の量が限られているため、表面の感覚が鈍くなる程度です。
貼り付けている時間が長いほど薬剤が浸透して効果が得られるため、施術の1〜2時間前に貼っておきます。
麻酔テープの持続時間はおよそ4〜5時間とされています。
リドカインでアレルギー反応を起こしたことがある方は使用を避けた方が良いでしょう。
麻酔クリーム
麻酔テープ同様、脱毛する部位にだけ局所麻酔の有効成分リドカインを主成分とするクリームを塗るタイプの麻酔です。
効果が現れるまでに30分〜1時間ほどかかるので、事前に希望しておく必要があります。
クリームを購入して自分で塗る場合と、クリニックに早めに来院して塗ってもらう場合がありますので、初回カウンセリングの際に確認しておきましょう。
クリームを塗った後、麻酔クリームが浸透していくと、皮膚の感覚が少しずつ鈍くなってきて、しびれるような感じがします。
麻酔クリームの持続時間はおよそ1〜2時間です。
痛みを軽減する効果は笑気ガスよりも強く、笑気ガスでは痛みが取れなかった方や、笑気ガスが使用できない方(妊娠の可能性など)に向いています。
費用は一般的に笑気ガスよりも麻酔クリームの方が高いことが多く、3000円〜5000円くらいの追加料金がかかりますが、医療レーザー脱毛の麻酔として最も多く使用されています。
注意すべき点として、リドカインアレルギーの方は使用できません。
また、リドカイン自体は安全な薬剤ですが、使用量の限度を超えると中毒症状を起こすリスクがありますので、一度に塗る量が決められています。
全身脱毛をする場合でも全身に塗るのではなく、痛みを感じる部位から優先的に使用します。
笑気ガス
歯科クリニックでも使用されている、笑気ガス(亜酸化窒素)を吸入するタイプの麻酔です。
笑気ガスを吸い込んでから30秒ほどで頭がふわーっとして気持ち良くなり、数分後には適度に酔ったときのような状態になります。
人によっては心地よさのあまり眠くなってしまう場合もあります。
完全に痛みを除去するというよりも、気持ちをリラックスさせることで不安や緊張をなくし、痛みを感じにくくする効果が期待されます。
笑気ガスによる麻酔の持続時間はマスクを装着している間だけに限られるので、吸入後すぐに効き目が現れ、吸入をやめれば元に戻る便利な方法です。
ただし、妊娠している方には使用できないため、少しでも妊娠の可能性がある場合には、笑気ガスの麻酔を選ばないように気を付けてください。
麻酔以外で医療レーザー脱毛の痛みを軽減する方法
痛みの軽減といえば麻酔、と思いがちですが、他にも医療レーザー脱毛の際に痛みを軽くする方法がいくつかあります。
レーザー脱毛機種の選択
新しい機種ほど技術が進歩しているので、より少ない痛みでより高い脱毛効果が得られるようにつくられています。
ダイオードレーザーの中でも蓄熱式のものや吸引式のものは、他と比較して痛みが少ないとされていますので、痛みに弱い方は使用しているクリニックを選ぶのも良いかもしれません。
脱毛部位の選択
どうしても痛みが不安だったり耐えられなかったりする場合には、痛みを感じやすい部位を避けて脱毛を受けるという選択肢もあります。
医療レーザー脱毛による痛みは最初が一番強いので、痛みを感じにくい部位から脱毛を始めて、慣れてきたら敏感な部位にトライしてみるのもおすすめです。
同じ部位の脱毛でも、回数を経て毛量が減っていくほど痛みも少なくなっていきます。
脱毛部位を冷やす
施術前に冷たいジェルや保冷パックで冷やしてから脱毛すると痛みが軽減されます。
無料でやってくれるクリニックが多いので、希望があれば伝えるようにしましょう。
レーザーの出力を下げてもらう
単純に、レーザーのパワーを弱くすれば、痛みが軽減されます。
ですが、出力を下げると脱毛効果も弱まりますので、時間や回数がかかってしまうというデメリットもあります。
セルフケア
医療レーザー脱毛の痛みを軽減するために、自分でできることもあります。
保湿
お肌が乾燥してバリア機能が低下している状態だと、痛みを感じやすくなります。
日頃のケアはもちろん、脱毛する前日にはしっかり保湿をしておきましょう。
脱毛時期を選ぶ
生理直前や生理中は普段よりもお肌が敏感になっていて、痛みを感じやすい状態です。
また、日焼けしていると痛みを感じやすく、施術後の肌トラブルも起こりやすくなります。
そのような時期の脱毛は避けた方が良いでしょう。
クリニックによっては、生理中や日焼け時の施術を行わないところもあります。
エステ脱毛をしておく
エステ脱毛は医療レーザー脱毛よりもかなり痛みが少ないとされています。
医療脱毛と比べて脱毛効果は期待できませんが、ある程度の減毛は可能ですので、毛量の多い部位はエステの光脱毛を受けてからだと痛みを軽減できると考えられます。
費用が余計にかかることと二度手間のようになってしまうことがデメリットでしょうか。
まとめ
実際に、医療レーザー脱毛の痛みをゼロにすることは難しい問題です。
ですが、医療機関での脱毛ですので、痛みに対応する準備ができているということが大きな特徴でありメリットです。
痛みに対する不安があまりに強いようであれば、カウンセリングの際にテスト照射を希望することもできます。
医療レーザー脱毛がどのくらいの痛みなのかを知ってから、脱毛するかしないかを決められるので、無料のテスト照射があればぜひ受けてみてください。
痛みの強さは心理的要因にも影響されるので、信頼できるクリニックで安心して施術を受けることは痛みの軽減につながります。
痛みを理由に医療レーザー脱毛を諦めず、痛みを和らげることで施術を受けられる方法を考えたり相談してみたりすることをおすすめします。